唐木仏壇の材質の知識
~唐木仏壇の豆知識~
唐木とは
唐木(からき)とは、紫檀、黒檀、鉄刀木(たがやさん)などの輸入銘木全般の総称です。
日本には奈良時代に遣唐使によって持ち込まれたのが始まりとされます。
実際には東南アジアが主な産地ですが、中国を経て日本に入って来た為、「唐からきた木」という意味で「唐木」と総称されるようになりました。
唐木仏壇はこれらの輸入銘木及び、欅や屋久杉など日本で産出される銘木を材料として製作されます。
唐木仏壇の基礎となる樹木に対する条件
1・ 木質の格調が高い
2・ 強度が大きく耐久性に優れている
3・ 菌や虫に犯されにくい
4・ 乾燥性が良い
5・ 木質が緻密で木目が美しい
6・ 時を経るうちに気品が高まる
以上の点を重視して、厳選した銘木が起用されています。
唐木仏壇の主な材質
【黒 檀】
カキノキ科の樹木で、東南アジア・インドネシア諸島を主な産地とします。
黒を基調として美しい縞模様があり、黒色で重くて硬く、耐久性は極めて優れいます。
本黒檀・縞黒檀・青黒檀などがありますが、銘木業界で本黒檀と言えば、伝統的にはインド黒檀・セイロン黒檀のことで、仏壇・仏具の用材として最も使われるのは縞黒檀です。
縞黒檀と似た材料としてはカマゴンがあり、カマゴンはフィリピンで産出され仏具などに使用されています。
【紫 檀】
マメ科の樹木で、タイ・ラオス・ベトナムなどを主な産地とします。
赤みを帯びた木肌で赤褐色・濃紫色・黒などの縞模様があり、木目が美しく、重くて硬く、耐久性は極めて優れいます。
黒檀に並び、唐木仏仏壇・仏具に使用される材質で、高級楽器や指物家具、さらには床柱などにも使われます。
【鉄刀木】
マメ科の樹木で、東南アジアで産出される代表的な唐木材です。
木材の重くて硬いさまが、鉄の刀のようと言う事から「鉄刀木(たがやさん)」の漢字が当てられたと言われます。
黄褐色の地に黒褐色の独特の縞模様ががあり、重硬で強度が高く、耐朽性に優れいます。
【シャム柿】
ムラサキ科の樹木で、メキシコなどの中南米で産出される代表的な唐木材です。
樹はあまり大きくはならず、産出量は少なく、
黒柿の代用としても使われます。
材は灰から緑かかった黒で、濃淡の縞模様があり、磨くと大変美しい光沢が現れます。
【 欅 】
ニレ科ケヤキ属の落葉広葉樹で、杢目の美しさは世界屈指の銘木です。
材はやや重硬で、耐湿・耐久性に優れており、建築用材や寺院用仏具としても、古くから使用されています。
まれに玉杢(たまもく)などの珍しい木目が現れる。
【 槐 】
マメ科の樹木で、 北海道から四国・九州まで広く自生しています。
暗褐色を呈しており、明瞭で美しい木目に、所々木肌が黒光りしているのが特徴です。
古来より日本建築の床柱や、玄関の上がりカマチ等に魔除けとして使われてきた由来があります。
仏壇でもこの魔除けの意が重視され、木質の緻密さが風格や気品に満ちていると好まれる材質です。
【 栗 】
ブナ科の樹木で、 北海道から四国・九州まで広く自生しています。
褐色を帯びた白灰色。年数が経つと栗色から黒褐色に変化するのが特徴です。
重厚で弾力に冨、水湿によく耐え保存性が極めて高い。