金仏壇の基礎知識–お仏壇の豆知識–


金仏壇の基礎知識
~お仏壇の豆知識~

仏壇製作工程 ~金仏壇が出来るまで・お仏壇の知識~

木地師 彫刻師 塗師 呂色師 荘厳師 蒔絵師 金具師 箔置き(箔押し)師 組師

お仏壇製作の工程には八職と称されれる職人がおり、それぞれの技術を集めて一つのお仏壇が作られます。

専門職人としては、木地師・荘厳師・彫刻師・塗り師・蒔絵師・金物師・箔師に加えて、天井師・呂色師・組師がおり、これらの職人がいなければ一つのお仏壇を作り上げる事が出来ません。

また彫刻師には前彫り師・内彫り師、金物師には外金物師・内金物師に別れています。

現在では部品の一部、又はお仏壇一体が海外でも製作される様になり、高価な国産品からお値打ちなお仏壇まで幅広く存在するようになりました。

一般的に品質の差は、使用される材料、工程、細工や仕上げの程度によります。

 木地師

仏壇職人・木地 ~金仏壇が出来るまで・お仏壇の知識~ 仏壇職人・木地 ~金仏壇が出来るまで・お仏壇の知識~ 仏壇職人・木地 ~金仏壇が出来るまで・お仏壇の知識~

金仏壇』の基となる型を造る事が木地造りです。

使用する材料は桧を始めとし、松・サワラ・ヒバ・ツガ・欅・外国材などで、桧張り合板・その他の合板類などを使用して造られます。

総檜造り木地』を最高品として『合板製の木地』まで多くの品質木地があり、「桧張り合板」を使用した木地では木口が隠れている為、ちょっと見では桧板との区別がつきません。

また、見附(正面)の木地見せ部分などには、欅やセンなどの、木目が美しい材料の薄板を台木に張り合わせ、木目出しする手法もあります。

各材料は製材後、長い年を経ても狂いを生ずる事が無いよう、数年もの間自然乾燥され、「製材」「乾燥」「木取」「切削」「研磨」「組付」「面取」の大まかな工程を経て仕上げられます。

造りは、『名古屋仏壇』の最大の特徴である『組木ほぞ組み』の手法で仕上げられており、釘一本使用する事無くその姿を型造ります。

このミゾ・ホゾ組という独自の技術により、後にお仏壇のお洗濯・修理が出来るよう、細部にわたり仏壇の分解、組み立てが出来るよう工夫されております。

このような『組み木ほぞ組』されたお仏壇に比べ、糊、釘、などで簡単に組まれた量産品のお仏壇は、分解・組立てが容易ではなく、また材料に合板が使用されている事が多く、後にお洗濯する事が難しい特徴があります。

 彫刻師

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金仏壇』の様ざまな所に取り付ける、彫り物を彫る工程です。

前彫(前狭間)』と『内彫』に分けられ、前彫りは正面欄間部分に取り付けられる彫刻で、内彫りはその他の所に取り付けられる彫刻類全ての総称です。

主に柔らかい、姫子松・檜などを材料に手彫りで仕上げていき、「筋彫」「平彫」「合彫」「付彫」などの手法があります。

前彫りは、木地師が制作したお仏壇の「狭間淵」の形状や寸法に合わせ、「名古屋仏壇」の顔とも言える欄間彫刻を制作しています。

通常は「上彫」と「地板」の2枚の彫刻が組み合わされた合わせ彫りで、奥行きと立体感を持つ形状に仕上げられた物がほとんどですが、中には一枚の厚板を彫り抜いた物もあります。

他産地のには無い「三切り欄間」と「桝合彫刻」の豪華な組み合わせや、「かぶと欄間」などの形状や、「天女」「花鳥」「龍」「獅子」「羅漢」「唐草」など、多彩な刻柄が存在していて「名古屋仏壇」の前彫師の高度な技術が存分に発揮されています。

内彫りは雲天・花鳥・雲鶴・波千鳥・楽器・龍・獅子牡丹などの刻柄が組み合わされ、様々な箇所に取り付けられます。

以前はプラスチック製の物も在りましたが、近年では使われる事も無くなりました。

 塗師

仏壇職人・塗 ~金仏壇が出来るまで・お仏壇の知識~ 仏壇職人・塗 ~金仏壇が出来るまで・お仏壇の知識~ 仏壇職人・塗 ~金仏壇が出来るまで・お仏壇の知識~

金仏壇』の要となる工程で、木地師や荘厳師が製作した木地部分を塗装します。

『目摺り』 『下地塗り』 『研ぎ』 『下塗り』 『研ぎ』 『中塗り』 『研ぎ』 『上塗り』 の工程を経て仕上げられ、下地塗り~中塗りの工程を最低3~5回は繰り返し行います。

漆を乾燥させる為には湿度が必要で、「むろ」と呼ばれる特殊な乾燥室を用います。

塗りの種類も色々あり、通常の『黒塗り』以外にも『はぎ塗り(木目だし)』 『朱塗り』 『溜め塗り』『梨地塗り』 『箔蒔き塗り』 『虫食い塗り』 など、古来よりの数多くの手法があり、お仏壇、宗派、塗装部位などに合わせて、組み合わされて施されています。

使用する漆にも「合早」「朱合」「梨地」「赤呂」など多くの種類があり、塗装部位、季節、天候など様々な要因によってその配合も変わります。

それらは全て、長年に渡って積み重ねてきた職人の経験と勘によります。

塗りに使用される材料にも様々の物があり、『砥粉』 『胡粉』を用い下地処理をし、『精製漆(本漆)』を塗って仕上げるのが本来ですが、多くの手間と熟練した技術が必要とされます。

漆を手塗りで行う場合、漆のカンつけ(暖め)から始まって、漆を和紙で漉し、筆の洗い、などの準備をして手塗りの作業に入ります。
冬場など寒い時期は準備の段階で1時間以上かかります。

また、コンプレサーによる吹き付け塗装もあり、作業工程に大きな違いがあります。


お仏壇
に用いる塗料としは、漆がやはり最も優れた材料ですが、多くの手間と熟練した技術が必要で、一般的には「本漆塗り」と称されているお仏壇でも「見附漆塗り(扉を閉じた状態の正面部分)」の物が多数を占めています。

また近年では、漆を全く使用せずに科学塗料を用いて下地処理をし、代用漆(合成漆)で仕上げられたお仏壇も多く見られます。

 呂色師

仏壇職人・呂色 ~金仏壇が出来るまで・お仏壇の知識~ 仏壇職人・呂色 ~金仏壇が出来るまで・お仏壇の知識~

金仏壇』の製造工程で、漆塗りの工程後、呂色漆で仕上げられた漆面を炭で研いで平滑な面にし、さらに漆をすり込んで磨き上げる工程です。

精製本漆で手塗りをする場合、『たて塗り』と『呂色塗り』の二種の技法に分ける事ができます。

「たて塗り」は塗り面をそのままの状態で仕上げる技法で、『呂色塗り』をした部分に必要となるのが呂色工程です。

呂色漆で塗り上げられた塗り面を、炭で研ぎ上げ、漆を塗ってから拭き上げる、 『炭研ぎ』『どうずり』『すり漆』『磨き』の工程を経て仕上げます。
全工程に渡り、手作業のみで仕上げられ、呂色後は刷毛跡が消え、艶のある塗り面になりますが、良く見れば微細な炭研ぎの跡が確認できます。

主に台見附(正面)、前戸鏡面などの『木目出し塗り』部分や、障子框などの色塗り部分に施されています。

化学塗料のコンプレッサーによる吹き付け塗装なら必要ありませんが、『呂色』は仕上げの要とも言える伝統の技術と言えます。

『炭研ぎ』
水に浸し砥石で磨いた『呂色炭』で、呂色塗り面の刷毛跡など、細かな起伏を削り、平にする工程です。

『どうずり』
平に削った塗り面を、水で練った『砥粉』をつけた布で拭き上げ、さらに滑らかにする工程です。

『仕上磨き』
『れいき』と呼ばれる微細な磨粉を布につけて磨き上げます。最後は手の平で艶が出るまで磨いて仕上げます。

 荘厳師

仏壇職人・荘厳 ~金仏壇が出来るまで・お仏壇の知識~ 仏壇職人・荘厳 ~金仏壇が出来るまで・お仏壇の知識~

金仏壇』の顔ともいえる部分で、個々のお仏壇に於いて最も特徴的な構造を呈する部分の製造工程です。

この荘厳によって宗派が決定されると言っても過言ではありませんし、個々の『お仏壇』に組み込まれている『荘厳』の種類により、『~造り』として名称の一部に組み込まれ、価格面に於ける差としても現れます。

木地造り同様、十分自然乾燥させた『桧』『松』『ひば』などの材料を用い、『組木ほぞ組み』の手法で仕上げられており、組み合わせるだけで複雑な荘厳部分を組み上げ、単体でも完璧に据置く事ができます。

大変に細かく手間のかかる作業が要求される工程であり、現在では海外製部品への依存率が『彫刻』と並んで最も高い割合を占める部分でもあります。

 蒔絵師

仏壇職人・蒔絵 ~金仏壇が出来るまで・お仏壇の知識~ 仏壇職人・蒔絵 ~金仏壇が出来るまで・お仏壇の知識~

金仏壇』の製造工程で、漆塗りの工程後、塗り面に絵柄を描く工程です。

名古屋仏壇には引出類、障子、後門板、御文書箱など、様々な部位に色々な絵柄の蒔絵が施されています。

絵柄に特に決りはありませんが、製造店やお客様の希望に応じつつ、それぞれの部分に描付けて行きます。

いきなり塗り面に『漆』などを用いて絵柄を描き、その上に『金粉』『白金粉』等を蒔いて仕上げる『平描蒔絵』。

塗り面を『さび』を使って盛り上げ、立体感を出した後で『漆』などを使用して絵柄を描き、その上に『金粉』『白金粉』等を蒔いて仕上げる『盛上蒔絵』。

盛り上げた後「金箔」を置く下地として使われる「箔下蒔絵」もあります。 金粉や白金粉の中に色付けの為に顔料を混ぜる事もあります。

また、絵の中に貝を入れる『螺鈿』。
エッチング技術を用いた『沈金』。
鮮やかな色彩で幾何学模様を描く『彩色
『金粉』を『にかわ』などの他の材料と練り合わせた『練金』を用いて描く『金泥』『金麗
『彩色墨』を用いて鮮やかな色彩の装飾を施す『彩色』などの手法もあります。

最近では印刷技術の進歩により手描きとの見分けが困難な蒔絵風の物や、偽金、偽貝製の物も多くなって来ました。

 金具師

仏壇職人・金具 ~金仏壇が出来るまで・お仏壇の知識~ 仏壇職人・金具 ~金仏壇が出来るまで・お仏壇の知識~

金仏壇』の製造工程で、お仏壇を飾付ける金具の製造工程です。

お仏壇の外側を飾る黒、茶系統の色上げを施した『表金具』、内側を飾る金鍍金を施した金具を『内金具』と呼び、大きく2つに分けられます。

表金具・内金具 共に『金物師』により、様々なたがねを用いて彫金して造られた『手鍛造金具』、電気的に鋳造された厚く豪華な『電鋳』と呼ばれる金具がありさまざまな部分に取り付けられます。

その他にも『地彫り』と呼ばれる貴重な金具もあり、『地彫』はそれ自体が伝統的な金属工芸品とも呼べる代物で、非常に高価な金具です。
これを写し取ったゴム型を用いて電気的に鋳造された金具が『電鋳』です。

金仏壇の外側を飾る、茶系色付の金具を鍛造するのが表金具師です。

真鍮製又は、銅製の金属板に、大小様々の特殊な『たがね』を用いて模様を刻み付けて行きます。

『葉』『花』『唐草』などの刻柄が一般的で、『打出』『すかし』『石目』『砂目』『地鎖』などの手法を組み合わせて『木地』に合わせて型を造り、『せんとく『「いぶし』『金すり』『銀すり』などの手法を以て『色付』して仕上げられます。

名古屋仏壇に取り付けられている『表金具』は絵柄部分を浮き出させた物が多く、より豪華な装飾金具となっています。

金仏壇の内側を飾る金渡金付の金具を鍛造するのが内金具師です。

表金具師と同様に、銅または真鍮の板金を主な素材とし、『花』『葉』『蔓』『唐草』などの植物、『鳥』『獅子』などの動物、『鞘型』『星十字』などの幾何学模様、これらを組み合わせて大小様々の特殊な『たがね』を用いて模様を刻み付けて行きます。

手法に於いても『打出』『すかし』『砂目』『ななこ』などを組み合わせて型を造り、金渡金して仕上げています。

内金具に施す鍍金にも『本金艶渡金』『本金渡金消ニス仕上』『本金消渡金』を始めとして、『クロム渡金』『白金渡金』などの方法があり、最近では光沢を抑えた消しニス仕上げや消し鍍金が多く見られるようになってきました。


名古屋仏壇
には、特徴的に非常に多くの『内金具』が取り付けられていて、その豪華さを演出する一翼を担っています。

近年ではこの様な手鍛造金具に加えて、手間のかからない機械造のプレス金具にラッカー塗装された製品が多用されるようになって来ました。

 箔押し(箔置き)師

仏壇職人・金箔 ~金仏壇が出来るまで・お仏壇の知識~ 仏壇職人・金箔 ~金仏壇が出来るまで・お仏壇の知識~

金仏壇』の製造工程で、漆塗りの工程後、金箔を貼る工程で、
極薄い本金箔を竹製の箸で正確に仏壇の各部分に張りつけて行きます。

お仏壇に使われる『金箔』『金粉』は正確には純金ではありません。

どんな『金箔』『金粉』も『金』『銀』『銅』の合金で、それぞれの割合により、微妙に色が異なり、95~98%の金が含まれていて、色合い、純度により五毛色~三歩色と種類があり、製造工程によって縁付箔・断切箔と分けられます。

縁付箔』とは、手漉きの雁皮紙を手間暇かけて仕込んだものを箔打ち紙に用い、打ち上げられた箔を一枚ごとに手作業で裁断し、和紙に移して仕上げられた金箔です。

断切箔』は、特殊なカーボンを塗布したグラシンを箔打ち紙に用い、打ち上げられた金箔を和紙とを交互に重ね約1800枚まとめて縁を絶ち落として仕上げられた金箔です。

金箔』の大きさは3寸6分~7寸2分まであり、多くの場合は3寸6分の大きさの箔を使用します。

厚みは0.0001mm~0.0002mm程度しかありませんが、金箔は薄く延ばす程、趣のある金艶を呈するという特徴があり、より薄く延ばされた『縁付箔』は1枚毎に手作業により正方形に切り揃えられ、台紙に移されて仕上げられています。

また『金箔』を『水飴』で練り、『水飴』を洗い流して造られた物が『金粉』で、粒子の大きさにより数種類の物があります。

金箔を貼り付ける作業を 『箔置き・箔押し』と言い、艶を出した『艶出し』、艶を抑えた『艶消し(重押し)』、『半艶置』の方法があり、『本金消粉』『白金消粉』などを『前戸裏』『様廻』『面』『彫刻』などの部分によっては蒔き仕上げる事もあります。

名古屋仏壇』の特徴の一つに『重押し』があり、本金箔を艶を抑えた落ち着いた箔艶で置き仕上げた部分が多くなっています。

『金粉』で仕上げたられた部分は艶が殆ど消え、落ち着いた雰囲気になり、『金粉』を塗り付ける工程は『粉蒔』と呼びます。
特に金箔を使用せずに全ての部分を『本金消粉』で蒔き仕上げたお仏壇を『総粉仕上』と呼んでいます。

以前は金を全く含まない代用金箔(錫箔)も使われておりましたが、最近は少なくなりました。
また、他の工程同様に、手間のかからない機械によるスタンプ箔置工程や、メッキ箔置工程も登場し、一般の人が見ても区別できないような製品も多くありますが、その耐久性にはかなりの差があります。

金(%) 銀(%) 銅(%)
五毛色 98.91 0.49 0.59
一号色 97.66 1.35 0.97
二号色 96.72 2.6 0.67
三号色 95.79 3.53 0.67
四号色 94.43 4.9 0.66
三歩色 75.53 24.46  -

 組師

仏壇職人・組立て ~金仏壇が出来るまで・お仏壇の知識~ 仏壇職人・組立て ~金仏壇が出来るまで・お仏壇の知識~

金仏壇』の製造工程の最後を担っている工程です。

各職・工程で仕上げられた木地・塗り・箔・金具 等を工程順に受け渡し、回収し、全てを集め、不具合が無いか最終点検され、一本の『名古屋仏壇』に組み上げます。

一つのお仏壇が出来上がるまでに、木地を製作し乾燥させてある場合で、最低でも3~6ヶ月、木地を製作する段階からですと数年の歳月がかかります。

『内金具』『表金具』の取り付けから始まり、『彫刻』を組み付け、『荘厳』を組み上げ、『蒔絵』を取り付け、『お仏壇本体』を仕組み上げます。

『内金具』『表金具』は2分(6mm)~1寸(30mm)までのそれぞれ、金渡金が施された鋲、あるいは黒燻着色された鋲を用いて1000ヶ所以上もある所定の場所に正確に取り付けられます。

『彫刻類』は非常に細かな細工部分も多く、折れやすいので細心の注意を払って組み付けます。

『荘厳』及び『お仏壇』本体は『組木ほぞ組方式』で造られている為、正確に各部分を組み合わせて行く事により、容易に仕組み上げる事ができ、『蒔絵』を取り付け、『障子』『前戸』を取り付ければ完成します。

しかし、あらゆる部分が塗装され、『金箔』『金粉』が施されている為、最後を飾る工程だけに、その取り扱いには最大限の更なる注意が必要となります。

後にお仏壇の洗濯・修理の際に分解が可能なように、無用な糊、釘等の使用は避けます。


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